最期を過ごした場所2012年09月17日 09時05分


どうも、どうもどうも!ササナオでございます!

いかがお過ごしでしょうか。
今日は、ブログ1日目のローベルト・シューマンとの写真を撮った、
シューマンハウスを訪れた時のことを少し。

シューマンハウスは、ドイツのボンという町にありました。
「シューマンハウス」と聞くと、シューマンが住んでた家かな?
と思われるかもしれませんが、残念ながらシューマンが住んでいて
たくさん曲を書いた場所!ではなく、彼が亡くなるまでの2年間を
過ごした精神病院だった場所なんです。
現在はシューマンやクララの楽譜、写真などが展示してある資料館、
また図書館として利用されています。

ライン川に身を投げて、死にきれなかったシューマンが残り2年を
ここで過ごしたのか。
クララとも会えず、一人何を思って暮らしていたのか。
緑と青空が見える窓から心地よい風が入ると、そんなことを考えて
いました。
しかし、シューマンはこの精神病院に入るずいぶん前から病んでいて、
もしかしたら自分からこの静かで穏やかな場所を求めていたのかな、
とも思ったり。
そして彼はこの場所で息を引き取り、同じボンにあるAlter Friedhof
という旧墓地で眠っています。クララも一緒です。

その墓地にも訪れました。駅から歩いて10分くらいなのですが、
歩いている最中、なぜだかシューマンに会えるような気がしてずっと
ドキドキしていました。

シューマンは心に何か重いものを常に持ちながら生きてきた作曲家、
言い換えれば、人一倍思いが強い、自分の感情に正直な人だった
んだと思います。

そんな彼のあらゆる感情がぎっしり詰まった曲の一つが、私が今回
演奏します、チェロ協奏曲と言えるかもしれません。
私はシューマンではありませんし、彼の心の中を知ることもでき
ませんが、こういったシューマンが過ごした場所、シューマンが愛する
クララに送った手紙、シューマンに関する本などが今も残っている限り、
シューマンという人物像を描くことができます。
それをチェロ協奏曲という音楽、チェロの音でみなさんに伝えることが
できたら何よりです。

初めて聴く方にとっては少し難しい音楽かなと思われるかもしれませんが、
聴けば聴くほど心に届く音楽ですので、演奏会が終わっても、CDや
映像などで聴いて頂けたらいいなと思います。


佐々木夏生(チェロ)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://sencla2012.asablo.jp/blog/2012/09/17/6573438/tb