もうすぐ70才の恋人 ― 2012年09月03日 16時57分

私が小学校5年生の頃から共に歩んで来たパートナーのピアノです。
それまでアップライトよりさらに小さいスピネットを弾いており、
ショパンのワルツを勉強し始めてさすがに連打やペダリングに限界を
感じて買い替えたのがこのピアノで、今でも大事に私を支えてくれています。
NYに住んでいたいた頃買ったのですが、調律の方にいろいろ探して
頂いた中でもっともしっくり来たのがこの1943年生まれのNYSteinway。
今ではなかなかなくなってしまったマホガニーの本体と象牙の鍵盤です。
一度弦を張り替えましたが、元の弦の低音部は純銀でした。
当時は何も考えず業者の方に預けてしまいましたが、今になって
「あれだけの銀があればかなりのジュエリーが作れたかも!!」
などと悔やまれます(笑)。
それほど大きいピアノではないですし、当然コンサート会場にある
ものとは音量もタッチも違うので本番前はスタジオに練習しに行くことも
ありますが、やはり音色がたまらなく良いので、今の自分の「音」という
のはこのピアノによって作られていると思います。
おっきな地下スタジオにドーンとフル・コンを2台並べてガンガン練習
してみたい気ももちろんなくはないですが、海外ではかなり偉い先生や
音楽家でも意外と古ーいピアノを愛用し続けていたりしますし、
私もこの恋人と末永く添い遂げたいな、と思っています。
三舩優子(ピアノ)
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