ガチ・コンチェルト ― 2012年06月28日 10時15分

こんにちは。エレクトーンの神田将です。
過去3回出演したせんくらでは、ずっとひとりでソロ演奏のみ
でしたが、今年は初めてアンサンブルが出来ることになりました。
共演者は若きピアニスト、米津真浩さんです。
米津さんとは他でも共演の機会があったものの、
ふたりだけでワンステージを務めるのは初めてです。
さて何を弾こうかと、かなり考えて出した結論はピアノ協奏曲。
せんくらではオーケストラとトップピアニストによるコンチェルトの
コンサートがありますので、私たちは聞き劣りしてしまうかも。
でも、本来フルオーケストラと大ホールが必要なコンチェルトを、
コンパクトな空間でふたりだけで弾くのは面白いかもしれませんし、
とても画期的です。
時に音をぶつけあい、時に融けあい、感じるままを瞬時に
音として表現できるのも、ふたりきりならでは。
そんな指揮者不在の男ふたりのガチ・コンチェルト、
演奏曲は皆さま大好きなラフマニノフの2番です。
ちなみに小山実稚恵さんはオケと3番。
ぜひセットでお聞きください。
さて、私のブログ当番は今日でおしまいです。
せんくらブログはまだまだ続きますので、
ぜひ毎日チェックしてください。
それでは皆さま、9月にお会いしましょう!
フレンチキッス ― 2012年06月27日 10時25分

こんにちは。エレクトーンの神田将です。
せんくらで何を演奏するか、出演が決まる度に
いつも悩むのですが、今年はあんがいあっさりと決まりました。
というか、決めました。
なんとなく今年はフランス音楽を弾きたい気分なので、
フランスの作曲家による作品ばかりを取り入れた
プログラムが2公演あります。
そのうちひとつは、0歳児からOKなのですが、
子どもと一緒にフランス音楽を楽しむなら何がいいだろうと考え、
ドビュッシーの「子供の領分」、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」の
全曲を選びました。
どちらも、エレクトーンで効果的に演奏できるよう、これから編曲を
進めていきますが、もし生きていたら作曲者もあっと驚くような、
斬新な発想で取り組みます。
また、45分で3つの交響詩を演奏するプログラムでは、
「フィンランディア」、「禿山の一夜」、「モルダウ」と、
よく知られた作品を一度にお楽しみいただきます。
いずれも1曲弾くだけでもかなり消耗する作品なので、
ひとりで3曲連続となると、さてどうなることやら。
私自身も楽しみにしています。
クラシック音楽のトレンド ― 2012年06月26日 09時35分

クラシック音楽は永遠に不変で、作られた時から同じスタイルで
演奏されてきたと思っている人は少なくないかもしれません。
でも、実際はファッションやメイクアップ同様、
時代によって徐々に変化しています。
変わらないのは演奏のために使う楽譜で、どの時代であっても、
どんな演奏家であっても、音を足すことも省くこともありません。
同じ楽譜を使っていても、解釈や演奏の仕方によって
伝わる音楽は大きく変化します。
その演奏が時代にマッチしていれば受け入れられますし、
逸れていれば興味を持ってもらえませんので、クラシック音楽を
次の世代に遺すには、演奏家がトレンドを理解して取り入れる
必要があります。
私は、ここ1年でトレンドが大きく変化したように感じています。
人々が音楽を聞いて何を感じたいのかが変わっているので、
同じ演奏をしたとしてもこれまでとは受け取られ方が違い、
時に自分自身が混乱することもあります。
でも、いつでも聞き手の方が音楽に対して純粋ですので、
その感覚から学ぶことはたくさんあります。
自分自身が古い感覚のままで弾いていたのでは、
音楽の継承に役立つことができませんので、音楽以外の
トレンドにも常にアンテナを張りながら、最先端の感性を演奏に
活かしていきたいものです。
そう言ってしまうと、伝統を軽んじているように聞こえるかも
しれませんが、まったく逆です。
私が好んで演奏する曲が作られた時代には、エレクトーンは
存在しませんでした。
作曲家にとって未知の楽器を使って、その人の作品を演奏する
わけですから、むしろ慎重にならざるをえず、例えばピアニストが
ピアノ曲を演奏する際にはまったく無縁の不安を抱えています。
エレクトーンや私が、長く受け継がれてきた芸術性を壊すことに
ならないよう、細心の注意と責任感で演奏してくつもりです。
神田将(エレクトーン)
さくらプロジェクト ― 2012年06月25日 09時48分

こんにちは。エレクトーンの神田将です。
最近、東北大学エレクトーンサークルMUSICAの皆さんとの
親交が深まっていますが、若くて活動的な彼等との出会いを
くれたのも、せんくらです。
今年の3月11日には、MUSICAの皆さんがコンサートを企画。
それを知った私は、ぜひ一緒に参加させてほしいと頼み込み、
仲間に入れてもらいました。
とりわけ印象に残ったのは、マルシェジャポンセンダイと
タイアップして開催された「さくらプロジェクト」のコンサート。
サンモール一番町アーケードに設けられた特設ステージは
たくさんの啓翁桜で飾られ、寒い一日ながら、多くの方々が
立ち止まって音楽に耳を傾けてくれました。
誰もが何かをやらずにいられないと感じていた時期に、
彼等は得意な音楽で道行く人たちを元気づけました。
生き生きと輝いていたその姿が、今も心に焼き付いています。
私たちプロは、音楽を難しく考えすぎてしまうことがあります。
高度な演奏を実現することに気持ちが向き過ぎて、
本来の純粋な楽しさを忘れてしまうのです。
このささやかなコンサートでは、学生たちと道行く人々から
音楽の底力を教えてもらいました。
仙台にはそんな思い出がたくさん詰まっています。
トラベラー ― 2012年06月24日 10時02分

演奏家の多くは旅人でもあります。
演奏会でさまざまな土地を訪ねるのは、音楽にとっても
人生にとっても大きな刺激になります。
私は元来旅好きなので、演奏家として
各地を回れるのはまさに役得。
初めての場所には出会いが、再訪するところには
懐かしさが待っています。
国内の移動にはできるだけ陸路を使いたいと願っていても、
やはり効率が優先される飛行機の利用がほとんど。
東京から仙台までは新幹線ですが、機会があれば気ままに
車で訪ねてみたいものです。
移動中に見る風景は、何度となく通った場所であっても、
いつも新鮮に感じます。
それは、素晴らしい音楽が、何度聞いても、何度弾いても、
毎回新しい何かを教えてくれるのに似ています。
演奏会前後もじっとしていられません。
楽屋は退屈なので、愛用のデジカメを片手に、
会場周辺を散策します。
せんくらの会期中も、その辺りをふらっと歩いている
かもしれませんので、見かけたら気軽に声を掛けて下さい。
神田将(エレクトーン)
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