一週間ありがとうございました2012年07月12日 09時14分


ブログも今日が最終回。

一週間お付き合い下さってありがとうございました。

京都は祇園祭の準備が始まり、町を歩けばお囃子の音も
聞こえてきます。なんともいえない風情があります。

いよいよ夏本番。

これから益々暑くなりますが、暑さに負けずお元気でお過ごしください。

秋に仙台で皆様にお会い出来るのを楽しみにしております。


イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

せんくら2012 公演詳細2012年07月12日 10時06分


みなさま、こんにちは。ピアノの鈴木美紗です。
 
ブログ担当最終日の今日は、“せんくら”の公演内容の詳細と、
私が今回演奏させていただくショパンのバラード第1番と第3番
について、お話したいと思います。
 
 
ショパン(1810-1849)は言わずと知れたポーランドの作曲家ですが、
20歳そこそこでパリの音楽界に華々しくデビューした後、亡くなるまで
祖国の土を踏むことは出来ませんでした。
当時、近隣の国々から弾圧を受け、国土の消滅の危機に立たされて
いたポーランド。非常に不安定な政治情勢の中、ショパンは常に故郷
を想い続け、彼の作品の核心は祖国への郷愁へ向けられており、
その関係は切っても切れないほど密接なものです。
 
中でもバラード第1番は、戦争という逃れられない宿命を持った
ポーランドを彷彿とさせる悲劇的な曲で、有名な『革命』のエチュードに
もみられるような、行き場のない憤りや嘆き、深い闇に全体が支配され、
運命と葛藤し闘う様子が描かれているように感じます。
 
第3番のバラードは、ショパンの恋人であるジョルジュ・サンドとの関係
が最も満たされていた頃作曲されたためか、第1番とは打って変わって、
またショパンにしては珍しく100%の幸せがギュッと詰まった曲だと思います。
恋人同士の愛の会話に始まり、水の精オンディーヌが登場する優美で
魅惑的な世界。曲は終始愛の喜びに満ち溢れ、ハッピーエンドで
締めくくられます。
 

これらの2曲はどちらも素晴らしい名曲ですが、耳馴染みのある曲で
あればあるほど、説得力のある演奏をするのは難しく、演奏家にとって
高い壁を感じさせるものだと思います。

特に、私にとってのショパンは、例えるならば初恋の人のようなイメージで、
中高生時代はショパンしか弾かなかったほど没頭したものの、留学して
からはエチュード以外ほとんど弾かなくなったため、長いブランクを経て
今あらためてショパンに立ち返ると、緊張や戸惑いもあるというのが
正直なところです。

あの頃から開いていない楽譜を開き、書き込みを見ると、何も考えず、
感性のおもむくままに弾いていた — まさに怖い者知らずだった(笑)、
当時のことが脳裏によみがえってきます。

“若気の至り”を恥ずかしく思い出しながらも、あの頃に戻りたいような、
でも戻りたくないような…。

時が経ち、いろいろなことを経験した分、頭で考え過ぎてしまって、
もう当時のように弾くことが出来なくなってしまい、それに苦しんだり、
逆に救われたり…。
そんな色んな気持ちが混ぜこぜになった、複雑な気持ちになります。

でも、あの頃はあの頃で、今は今で、それぞれに別の表現方法が
あるのだろうと信じつつ、今の自分に出来る演奏を求めて、
精一杯演奏したいと思います。
 
 
では最後に、私たちの公演の詳細について、改めてお知らせさせて
いただきます。
 
【公演番号48】
《F.ショパンのサロンⅡ -バラード全曲と即興曲- 仙台国際音楽
コンクール出身3人のピアニスト》
2012年9月29日(土)13:00〜13:45 /
太白区文化センター 楽楽楽ホール
【出演】法貴彩子、米津真浩、鈴木美紗
【演奏曲目】
即興曲第1番:法貴彩子
即興曲第3番:米津真浩
バラード第1番:鈴木美紗
バラード第2番:法貴彩子
バラード第3番:鈴木美紗
バラード第4番:米津真浩
 
 
なお、同日の11:00〜11:45、太白区文化センター 楽楽楽ホールでは、
同じく仙台国際音楽コンクール出身のピアニスト仲間でもある、
佐野隆哉さん、根津理恵子さん、美世真里奈さんによる《F.ショパンの
サロンⅠ -練習曲(エチュード)- 仙台国際音楽コンクール出身3人の
ピアニスト》の公演(公演番号42)が開催されます。
みなさま是非、こちらへも足をお運びください。
 
 
また、もう1つお知らせがあります。

“せんくら”のプレ企画として、9月27日(木)に仙台国際音楽コンクール
ボランティア委員でピアニストの和久佳菜さんと、ジョイントコンサートを
開かせていただきます!
時間は13時半〜と18時半〜の2回、場所はピアノテック仙台さん
ショールームです。

和久さんとはコンクールを通じて知り合って以来、とても親しくさせて
いただいており、一緒にチャリティーコンサートも企画・実行してきた、
今の私にとってかけがえのない存在の方です。
大好きな方と一緒に弾かせていただけることを、大変うれしく思って
おります。
公演の詳細など、詳しくはこちらをご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/miwaku_bfc

“せんくら”が始まる前日ですが、こちらでもみなさまにお会いでき
ましたら、とてもうれしいです!
 
 
ここで、私のブログ担当は終了となります。1週間お付き合いいただき、
どうもありがとうございました!
少し気が早いですが、素敵な夏休みをお過ごしください。

それでは、当日会場でみなさまにお目にかかれますのを、
出演者一同、心待ちにしております!
 
 
鈴木 美紗